イギリスのキャメロン首相は、国内の若いイスラム教徒が過激思想に走るケースが相次いでいることを念頭に、「イギリスでの多文化主義は失敗した」と述べました。
「多文化主義国家のドクトリンは、様々な文化がお互いに干渉せず、主流文化からも距離をおいて存在することを推奨してきました。そうした、いわば隔離されたコミュニティが我々の価値観と正反対の行動をとることすら許容してきました」(イギリス キャメロン首相)
これはキャメロン首相が訪問先のドイツで行った講演の中で発言したものです。キャメロン首相は「イギリスでのこうした多文化主義は失敗した」とした上で、異なる価値観を無批判に受け入れる「受動的な寛容社会」ではなく、民主主義や平等、言論の自由、信教の自由といった自由主義的価値観を積極的に推進する「真のリベラル社会」を目指すべきだとの考え方を示しました。
イギリスでは、イスラム過激思想に感化されたイギリス育ちの若いイスラム教徒によるテロやテロ未遂が相次いでいて、大きな問題となっています。
こうした問題の背景には若いイスラム教徒の一部が、イギリス社会に同化しきれていないことがあるとの指摘がなされていますが、キャメロン首相の今回の演説は「多文化主義」が同化を妨げてきたとの認識に立ったものです。(06日07:21)
昨年の10月にドイツのメルケルさんも同様のことを言ってた。 日本では余り報じられなかったけど、欧米では波紋を呼んでたんだけど、今度はイギリスのキャメロンさんですか。
日本においては、「多文化主義」は中学校で学ぶタームだし、日本も「多文化主義」になるべきだって教えてる。で、日本より「多文化主義」を推進していた欧米でこう大々的に「失敗」をアナウンスされたんでは社会科の教師も困っているだろう。ただ、社会科の教師には現実よりも自分の信念の方を優先する人も多いから案外困っていないのかもしれない。そういった教師に子供を預ける方としては困ってしまうんだろうけど。
従来、多文化主義は受け容れる側に焦点を当てて議論されていたわけだけど、メルケルさんやキャメロンさんが言うように受け入れられる側の努力ってのにも焦点が当たってくる。これらのどちらに問題の根を還元しようと別の問題が生まれるだろうね。
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