28/05/2016

オバマさん、広島へ

オバマ大統領の広島スピーチ全文 「核保有国は、恐怖の論理から逃れるべきだ」(The Huffington Post)

 スピーチが意外に長くて、感動的だった。やっぱりオバマさんは演説上手だなと改めて感じた。
 プラハでの演説以来核は拡散しているけど、オバマさんの個人的な情熱を感じたし、被爆者との交わりには感動を覚えた。
 日本における報道も概ねそんな感じで報じられていた。日米の和解に貢献する「歴史的な訪問」だと。

 ただ、海外での記事にはっとさせる議論があった。
Barack Obama's soaring rhetoric in Hiroshima contradicts his own mixed record(INDEPENDENT)
 副題に「In office, President Obama has launched a three-decade effort to upgrade America's nuclear strength」とあるように、核廃絶という高慢なレトリックと米国の核強化を開始した実際の仕事とは矛盾するという指摘だ。
 さらにショッキングだったのが

He was seen hugging and smiling with the two survivors, 91-year-old Sunao Tsuboi and 79-year-old Shigeaki Mori, (reporters were too far removed to hear what was said), but those with the keenest eyes might have spotted the military attache who is never far away when an American president travels. He is the one carrying the so-called “Nuclear Football”, actually an armoured briefcase containing the codes for a president to authorise a nuclear launch.


 オバマさんと二人の被爆者が微笑みと抱擁を交わすすぐ側に「核のフットボール」を携えている軍人がいることがちょっと注意してみれば分かるというのだ。
 おお、そういえばブッシュ前大統領がビーチをジョギングする後ろを両手に黒いかばんを持ってついていく制服軍人の映像を観たことがあるぞ、と思いだした。
 アメリカの現職大統領の広島訪問が歴史的なら、核の発射ボタンが平和記念公園に持ち込まれたのも歴史的事実として報じられてもいい。

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