22/02/2009

デパオク遊園地 絶滅寸前 (産経関西)
 かつて子供たちのあこがれだった百貨店の屋上遊園地が、次々とその姿を消している。家族連れの買い物の場が郊外型の大規模商業施設に移っていることで、屋上遊園地は減りつつあったが、近年の施設の建て替え・増築ラッシュが追い打ちをかけ、いまや絶滅寸前となっている。近畿では現在、大阪市北区の阪神百貨店などにわずかに残るだけ。往時の子供たちの歓声は消え、屋上空間の活用方法も様変わりしている。
 屋上遊園地が減少した要因は少子化や子供の遊びの多様化。各百貨店は増築・改装などににあわせ、次々と屋上遊園地を閉鎖している。平成19年夏には高島屋大阪店(大阪市中央区)、20年秋には近鉄百貨店阿倍野本店(同市阿倍野区)で屋上遊園地が相次いで消えた。現在、近畿地方で残っているのは、阪神百貨店や高島屋京都店(京都市下京区)などわずかだ。
 近鉄百貨店の広報担当者は「屋上で遊んで大食堂で食事をするのが、かつての家族連れの定番コース。当時は百貨店がテーマパークの役割も持っていた。最近のテレビゲーム世代の子供たちは屋上遊園地に興味を示さなくなった」と話す。
 阪神百貨店梅田本店の屋上遊園地に3歳と4歳の息子2人と訪れていた堺市堺区の佐藤智恵子さん(33)は「子供が安心して遊べる数少ない場所だし、何より開放的な気分になれるので、減ってしまったのは寂しい」と話していた。
 百貨店の屋上は当初から遊園地だったわけでもない。大正から昭和初期にかけては屋上庭園が流行。周囲に高層ビルがなく、屋上は展望台を兼ねた大人の憩いの場だったが、昭和20〜30年代に入りファミリー客が急増したことを受け、屋上遊園地に様変わりした。
 そして近年、商業施設の屋上活用法は再び変化している。平成15年に開業したなんばパークス(大阪市浪速区)は、約1万1500平方メートルの屋上に300種の植物を配置した庭園「パークスガーデン」を整備。都会のオアシスとして人気を集めている。また、近鉄百貨店上本町店は18年に屋上遊園地を廃止し、ペットの犬を遊ばせる「ドックラン」をオープンさせた。
 大阪府立大学の橋爪紳也教授(都市文化論)の話「百貨店が置かれた環境の変化に伴って、屋上の役割も変遷している。最近は環境対策として屋上緑化も注目されており、今後は屋上を緑で覆う試みも増えるのではないかと思う」
(2009年2月21日 13:41)

 デパートなんて僕にとっては別世界、よってデパオクだなんて、それこそ殿上人が楽しむ場ってな感じの少年時代を過ごした僕にとっては、子連れでデパートを訪れていた堺市堺区在住の女性のように寂しい気持ちになれるはずもなく…。そういった気持ちになれる少年時代を過ごせなかったことをふっと思い出させるという点では、確かにデパオクは「かって子供たちのあこがれだった」んだろうね。
 ただ、この話を今聞かされてもって感がないわけではない。経済的な側面から見てもそうだし、スペースの活用という面でも。
 屋上の役割の変化ってことでは、橋爪さんがコメントしている通りだと思う。実際街中では風を感じられないんだよね。

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