2010年5月9日1時57分
安くておいしい家計の味方のモヤシ。天候不順による野菜の高値で、存在感を増している。生産工場はフル稼働で殺到する注文に応え、人気に目をつけた食品メーカーや出版社の「モヤシ周辺ビジネス」も熱い。
モヤシ生産最大手、成田食品の栃木工場(栃木県真岡市)では10メートル四方の育成室一面に真っ白なモヤシが成長していた。コンピューター制御で水をやり、種まきから9~10日間で出荷できる。
春からの野菜の高値で注文が相次ぎ、1日平均58トン、250グラム入りを約23万パック生産する。工場長の鈴木与市さん(43)によると、4月の出荷量は昨年比3割増。スーパーからの注文が途切れない。
人気の背景には、供給量が落ちないことによる価格の安定がある。総務省の家計調査によると2008年以降、100グラム当たりの平均価格は15~18円。1人当たりの1カ月の購入量を毎年2月時点で比べると、08年は151グラム、09年は170グラム、今年2月は187グラムと確実に増えている。
関連商品も続々と誕生している。キッコーマンは08年8月に調味料「もやしのねぎ味噌炒(みそいた)め」を発売し、09年には4億円を売り上げた。今年4月は昨年と比べ、2割増の売り上げを記録するなど好調だ。
ラーメンチェーンの一風堂は昨年、店内に置いている「辛子もやし」のソースの販売を始めた。今年3月の販売本数は約2万本。売れ行きは右肩上がりという。
レシピ本も、モヤシ料理にスポットを当てる。角川SSコミュニケーションズが08年3月に発売した「スゴイ! もやしレシピ」は13万部を記録。昨年10月に講談社から「エライ! もやしのおかず&つまみ81」を出版した料理家の須永久美さん(38)は「モヤシはカロリーも味も控えめで、いろんな素材となじみ、料理の幅を広げる。具材に混ぜればボリュームが増すことも人気の秘密でしょう」と話す。(河野正樹)
モヤシとその生産者は偉い!これは掛け値なし。
ただその周りで、ビジネスをしようだとか、シャキシャキした食感を維持できない料理をする人は近付かない方が良い。
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